星に願いを
さぞかし、この先生は若いころからモテたんだろうな。
それで、たくさんの女の人を泣かせてきたんだろうな。
これからもモテるんだろうな。生徒に。
そう思って
まじまじと先生の顔を見ていると
どうしてか、みるみるうちに顔が赤くなっていくのを感じる。
どうして、ああいうことを
平然と、涼しい顔で言ってしまうんだろう。
そんなに涼しい顔で言われてしまったら
顔を赤くしてる自分がバカみたいだ。
どうしてそういうことを言うの?先生。
名前を覚えてくれていたのは、私だけ?
それとも、ただの社交辞令?
私が悶々と考えていると
目を閉じて、こめかみのあたりをボールペンでカチカチとついていた先生は
「それより…さ」
目をぱっと開いて、私を見上げた。
挑発的な目。大きな目。
「君、人の心配して笑ってる場合じゃあ…ないんじゃない?」
「へ?」
引き出しを開け、先生が取り出したのは
どこか見覚えのある、一枚のプリントだった。