椎名君とエトセトラ(完)
「あれ、椎名は?」
「知らない‥‥‥‥」
「はあ?」
学校へ戻ると、クラスTシャツをきた里穂が私を出迎えてくれた。
だけど、私が一人で戻ってきたもんだから、彼女は心底不思議そうな顔を浮かべていた。
「はやくあんたもクラスTシャツに着替えなさいよ」
「ん、」
里穂は深くは聞いてくることはなく、それだけ言うと自分の持ち場へ戻っていった。
後ろの廊下側にある自分の席に座り、教室中を見渡す。
‥‥‥‥‥みんな楽しそうだな。
和気藹々とするクラスの中で、一人辛気臭い顔をして椅子に腰を下ろす私。
椎名がいないだけでこんなにもたのしくない‥‥‥‥‥‥‥。
いまだもどらない椎名のつくえに視線を向け、ため息をつく。
もう‥‥‥‥‥‥‥‥嫌になる。