椎名君とエトセトラ(完)
「今日から文化祭の準備がはじまるでしょ?
とくに何も役のないあんたら二人に買出し係を任命する」
「おいおいまじかよ仁科ー。
水城と一緒とかダリィ」
‥‥‥‥‥やばい。
かおにやけるんですけど。
ニヤけた顔をバレないように俯いた後、だらしない口元を引き締め真っ直ぐ椎名を見る。
「本当最悪。だけど仕方ない事だし我慢する。くれぐれも足手まといになんないでよね。単細胞」
「‥‥‥‥まじかわいくねえ」
心底うっとしそうな、切れ長のふたえの綺麗な目。
そんな顔したって無駄なんだから。
そんな顔も含めて全て好き。
椎名には言えないけど、席替えで椎名と隣になってから、まいにち学校にくるのが楽しみなの。
‥‥‥‥‥‥まあこんなこと、絶対言わないけどね。