椎名君とエトセトラ(完)






私なんていないかのように楽しげに話す二人をただ呆然と見つめる。








「それ重くねぇの?持ってやろうか?」




「えっ、大丈夫だよーこんくらいもてるもん!」





「無理すんな。ほら貸して」




「‥‥‥‥‥ありがとね、豹」







泣きそうになった。






だって、私がもってっていったときは持ってなんてくれなかったのに、私よりも明らかに軽そうな荷物をもつゆりあちゃんには、優しく声をかけて、荷物をもってあげるんだもん。







椎名のバカヤロー。



あんたなんかもう好きじゃない。


嫌いになってやる!







「先、いっとくから」







「は?おい、」







2人の方すら見ず、そう呟いたわたしは、椎名を残し一人だけ学校への道のりを進んで行く。






「ちょ、待てよバカ女」





後ろで椎名がなんか言ってるけど、振り返ってなんかやんない。




あんたなんかゆりあちゃんにデレデレしとけばいいのよ。



馬鹿男!!




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