Pleasureー自由の元姫ー
嘘つき現姫





「怖いよぉ…っあの子を追い出して!」



「出ていけ!お前は用無しだ」




―――今、私の目の前で起こっているこの茶番は一体何なんだろうか。




「やだ、やだぁ!もうやめて…!」



「リサ、大丈夫だから!コイツはもう追い出すから!」



「うっ、ひっく…っ」




何これ。


昼ドラ見てる気分なんですけど。



じっ、と”私の彼氏だったらしい”人と”私の大嫌いな女”を見つめる。



すぐに、私の視線に気付いたのか、2人とも私の方へと視線を向けた。


……なんか両方に睨まれてるんですけどー。




どういう状況よ、これ。


私の思考回路が全くもって追いつかない。


ちょっとだけ考える時間を欲しいなー、なんて。



だけどそんな私の願いも虚しく、罵声を浴びせられる。



「お前のせいでリサが泣いてんだ!お前なんか要らねぇんだよ!」



え、理不尽。

意味不明。




私に罵声を浴びせるのは、―――暴走族、飛龍の総長。


名前は確か、玖山 大地…だったと思う。


興味ゼロだから、記憶が曖昧なんだよね。




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