Pleasureー自由の元姫ー
そんなことを思いながら、未だに何か叫んでる玖山を無視して、泣いている女―――小西リサに目を向ける。
笑ってるんですけどこの女。
あれ、泣いてたんじゃないの?
演技なのかアレは。
仮にも暴走族の総長に泣き真似通じるとか。演技力半端ない。
それとも、玖山がこの女に惚れているからなんだろうか。
多分、どちらも。
睨み返そうと思い睨む準備をしていると、私が知らない間に、いつの間にか話が進んでいた。
「っだって、この子は大地の元カノさんなんでしょう…?大地を奪われちゃうかもしれない…っあたし、不安で…」
「俺はリサに惚れてんだ。アイツみたいなクソ女遊びだ。だから安心しろ、な?」
えー。なんか貶された。
しかもこの女、”元カノ”って単語地味に強調してるし。あたしは彼女だから、とでも言いたいの?私を見下してるの?マジふざけんな。
てか玖山の彼女になった覚え無いんですけど…。
付き合ってもないのに遊びだとかクソ女とか嘗めてんの!?
私と”付き合った”のは玖山の頭の中でだけの出来事でしょうが!
頭湧いてる?
私、今なら凄い暴言吐けそう。
なんか相手の精神ズタボロにできそう。
それぐらいイライラ溜まってる。