Pleasureー自由の元姫ー
こんなに貶されてるんだから、言い返したっていいよね。うん。
私は目をすっと細めると、口を開いた。
「あのさぁ。盛り上がってるところ悪いけど、玖山!」
「あぁ!?なんだよクソ女!」
いきがってるけど、私が名前呼んだ時一瞬ビクッてしたよね。この目でバッチリ目撃しちゃいましたよ。
まあ、私が力噛み締めて名前の部分だけ強く呼んだからなんだけど。
それでも私は一般人。
一般人に怯むってどうなの。
…………ぷっ。ダサ。
思わず声に出して笑うと、玖山が怒鳴る。
「っ何笑ってんだ!早く言えよ!」
おっと、しまった。
笑うつもりはなかったんだけどなー。
心に留めておくつもりだったんだけどなー。
ついお口が滑っちゃった。
玖山はまあ、話を聞いてくれるだけえらいよね。返事も出来ないバカだと思ってた。
―――心の中で貶すのはここまでにして、
「私、アンタの彼女になった覚え無いんだけど?」
今からは口に出して、精神ズタボロにする。
「〜〜〜っ当たり前だろ!俺もお前なんか彼女にした覚えねぇよ!遊びだっつってんだろ!」
…………間があった。
それに顔が真っ赤。
彼女だと思ってたんだね…
なんと哀れな。