Pleasureー自由の元姫ー
「可愛い結莉のお願いは断れないから、ねッ」
「……ってぇ!」
柚木が思い切り赤髪の腹に蹴りを入れる。
赤髪は反撃しようとしたけれど、間に合わず。
間髪入れずに今度は回し蹴りを喰らい、気を失った。
あらら、言うほどでもないじゃない。
まあ所詮下っ端だもんね。
ふふ、と微笑しながら柚木に寄る。
「流石だね、柚木。…かっこ良かったよ?
」
にこっ、と可愛らしい笑みを顔に浮かべながら柚木を褒める。
「っ、結莉に言われると照れるな」
私の言葉に頬を朱色に染める柚木は可愛い。
これは、ご褒美。
私の為に頑張ってくれたしね?
「お兄様!狡いですわ!美紅も結莉様に褒められたかった…っ」
キッと鋭い目つきで柚木を睨む美紅。
威勢する美紅に苦笑いを零しながらも、私より背の高い美紅の頭を撫でてやる。
「美紅も、ありがとう」
「結莉様…!」
キラキラと輝く目でこちらを見る美紅。