Pleasureー自由の元姫ー
私の御機嫌さは凄まじく。
機嫌の良さは一ノ瀬家に到着した後もずっと続いていた。
ーーー
ーー
「!!結莉っ!」
「お久しぶりー、洸」
一ノ瀬家到着直ぐのこと。
一ノ瀬のそれはそれは大層立派な家の門をくぐったすぐそこに、彼は居た。
「結莉っ、今日はどうしたんだ?」
「んー?ちょっと逃走して来たの」
子犬みたいなくりっとした可愛らしい瞳でこちらを見る彼は、杉崎 洸。
現在飛龍の姫らしい小西...も含めそこらの女子より可愛らしい容姿を持ちながらも強さが半端ない洸は柚木と美紅の幼馴染み。
それに加え一ノ瀬とは関わりの深い家らしい。
「そうだ結莉、ここじゃなくて俺の家にーーー」
キラキラと目を輝かせたまま私の両手をギュッと握ってくる洸。
ーーーと、その時私と洸の隙間に飛んできた何か”光るモノ”。
その光るモノは見事に私たちの後ろの壁に突き刺さった。
ちら、と光るモノを見る。
............フォークじゃないのこれ。
「結莉様から手を離しやがれですわ」