Pleasureー自由の元姫ー
「私を貶したのはそっちなんだから。言い返すのは当然でしょ?」
ね?と首を横に傾ける。
小さな子供に言い聞かせるような、そんな言い方をしながら。
「………っそれでも、言い過ぎだと思うの…っ」
……やっぱり、腐ってるなあ。
ここまで言ったのにまだ言うか。
しつこい。
素直に聞けない奴は、大嫌いなのよね。
「言い過ぎだと思うならさあ、始めからそっちが言わなきゃ良いんじゃないの?」
「…、」
「馬鹿なあなた達に教えてあげる。…あのね、この世にはすっごく便利な言葉があるの。知ってた?」
「っそ、れがなに!」
”馬鹿”と言われたのが気に食わないのだろう、小西は顔を歪める。
だけど必死で演技を続ける。
よく怒らないよねえ?
精神すごいなあー、尊敬しちゃうなあー。…なあんて。冗談だけど。
ふっ、と鼻であしらうと、余計顔を歪める。
あ、皺が増えた。
やだ、老化?
ちょうど位置的に玖山には小西の顔が見えない。
イコール、表情も見えない。
だから小西がどれだけその顔を崩そうと、玖山にバレる事はない。
良かったねえ?
まあ、小西もそれをわかっていて顔を歪めているんだろうけど。