Pleasureー自由の元姫ー




「私を貶したのはそっちなんだから。言い返すのは当然でしょ?」


ね?と首を横に傾ける。

小さな子供に言い聞かせるような、そんな言い方をしながら。



「………っそれでも、言い過ぎだと思うの…っ」



……やっぱり、腐ってるなあ。


ここまで言ったのにまだ言うか。

しつこい。

素直に聞けない奴は、大嫌いなのよね。



「言い過ぎだと思うならさあ、始めからそっちが言わなきゃ良いんじゃないの?」



「…、」



「馬鹿なあなた達に教えてあげる。…あのね、この世にはすっごく便利な言葉があるの。知ってた?」





「っそ、れがなに!」




”馬鹿”と言われたのが気に食わないのだろう、小西は顔を歪める。


だけど必死で演技を続ける。

よく怒らないよねえ?

精神すごいなあー、尊敬しちゃうなあー。…なあんて。冗談だけど。



ふっ、と鼻であしらうと、余計顔を歪める。


あ、皺が増えた。

やだ、老化?



ちょうど位置的に玖山には小西の顔が見えない。

イコール、表情も見えない。


だから小西がどれだけその顔を崩そうと、玖山にバレる事はない。


良かったねえ?



まあ、小西もそれをわかっていて顔を歪めているんだろうけど。



< 7 / 44 >

この作品をシェア

pagetop