Pleasureー自由の元姫ー



徹底的なぶりっ子の演技を見ていると、ホント反吐が出る。



なんだか無性にイラッとしたのでチッ、と舌打ちをしておいた。


それに重くなった空気が余計うっとおしく感じて、場の空気を変えるようにわざと咳払いした。



気を取直して、話を戻す。




「世の中にはね、”目には目を。歯には歯を。”っていう、とおぉぉっても便利な言葉があるんだぁ。」




「…っ!」



なるべく大きく、印象に残るような声を出すと、段々と小西が後ろに下がっていく。


いや、ちょっと。


人が喋ってんのに失礼でしょ、コイツ。




そんなことを思いつつも更に追い討ちをかけるように、私は小西に近づきながら話を続ける。





「それが、どういう意味か知ってる?」



「…ぁ、」





小西が小さな小さな、聞き取れないような声を絞り出す。


ああ、無様。




ニヤリと口角を上げ、小西を壁まで追い詰めたところで、最後の言葉を放つ。





「”やられたらやり返す”、そういう意味なんだあ。」




”だから、やり返すのは当然だよね?”




優しく優しく、ふんわり微笑む。



笑った方が、恐怖は倍増でしょ。





思ったとおり、小西は顔を蒼白にした。




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