え、高嶺の花が僕の彼女⁉︎
「裕が奪ったの?」

「結果的に、そうだったみたい。」


先ほど、荻野が入れた曲が終わったらしく、騒々しい音が部屋を満たし、画面には40という得点が浮かんだ。


荻野は無言で機器に近づき、音量は最低ラインまで絞った。


普段はふざけ合って、罵り合ってるけど、こういうときはちゃんと、僕の話をきいてくれるのが荻野のいいところだ。


なんて、口が裂けても絶対言わないけど。調子に乗るから。

荻野は再び、僕のすぐ隣に腰を下ろした。


「どういうこと?裕は知らなかったの?陽くんが春華ちゃん彼女にしてたこと。」


「そういう訳でもない。ただ…春華からは兄貴のほうから振ったって言われたんだ。」


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