え、高嶺の花が僕の彼女⁉︎
「ふーん。なるほどねぇ……裕、馬鹿じゃないの?」

「な⁉︎」

「…とは流石に言わないけど、裕はそれで、いいの?泣き虫裕が発動しちゃうくらい、好きなんでしょ、春華ちゃんのこと。」


「泣き虫言うなっ。」


そうだ。
僕はいつの間に、こんなに春華が好きなっちゃったんだろう。


たった数日で、僕の心を奪って、僕の届かない人になった。


「でも春華ちゃん、高嶺の花、だもんねぇー。裕のスペックからして、無理なんじゃ…」


「ねぇ、励ましてんの、けなしてるの、どっちなの。」


「そもそも、なんで、春華ちゃんはこんなやついいとか思ったんだろ。」


極め付けの荻野のひとことで、僕はがくり、と頭を落とした。


でも、雫はもう、顔を伝う気配はしなかった。


< 157 / 292 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop