え、高嶺の花が僕の彼女⁉︎
あれから2週間。
結局、春華とも兄貴とも気まずいままだ。


「お前、今日、春華ちゃんに告れば?」

「なんで?」


「イベントっていえば告白だろ。」


「そういうのは二人の間にそういう雰囲気ないと成り立たないから。」


僕はあれから、一言も口を聞いてない。

いや、正確にいえば、スルーされたようなことは一度あった。


春華が体調を崩した次の日、たまたま人通りの少ない5階の階段の踊り場ですれ違ったことがあった。


話しかけたのは僕の、なけなしの勇気だった。


「体調大丈夫?」


今思うと、喧嘩別れした相手にこれはかなり無神経だった。

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