え、高嶺の花が僕の彼女⁉︎
「選手の人は入場してくださーい。」


前の方で実行委員が叫ぶのが聞こえて、僕たちは校庭に駆け出した。




好きなひと、は勘弁だ。


それ以外ならなんとでもなるだろう。

“イケメン”なら竹内連れてけばいいし、“可愛い子”なら中島を連れてけばいい。

二人とも客観的に見ても容姿がいいから嘘にはならない。



パァンと4回目のピストルが響いた。
僕のスタートの番だ。


20メートルくらい走ったところに、『?』と大きく書かれたボックスが置いてあった。


僕は、好きなひと以外、好きなひと以外、の心の中で唱えながら、ボックスに手を突っ込んで、一枚抜き取った。


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