え、高嶺の花が僕の彼女⁉︎
どんな顔していいか、わからない。


麻里の顔、見れない……そのくらい、自分のしたことが恥ずかしかったから。


「二人の、兄弟の仲壊そうとしてるの、後から気づいて。私から告ったくせに、私から振ったの。」


「なのに……」



麻里の声は少し、戸惑っていた。私はフェンスを後ろに回した手でつかんで、手にぎゅっと力を入れた。

手に汗が伝う。


「なのに、どうして夏祭り……」


うん。

わたし、最低だよ。



「体育祭で、裕くんに好きって言われて揺らいじゃったの……っ。まだ、裕くんが好きで。夏祭り、一緒に行ってもいいって言っちゃったの。」


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