え、高嶺の花が僕の彼女⁉︎
「ううん、本当は別れたときに言うべきだった。」


「私が好きなのは裕くん。だから「ちょっと待って。」




私の声を陽が遮った。


陽はおかしそうに笑っていた。


「俺、別に今日はわざわざ玉砕しに来たわけじゃないから。」

陽はベンチから立ち上がった。


「裕のおせっかいな兄貴として、弟の恋の応援しに来てやっただけだから。」



ん、と陽は右手を出した。



握手……?



私はゆっくりと右手を挙げて、陽の手を握った。



「弟をよろしくね。」

裕は一度だけギュッと私の手を握って離して、歩き出した。



陽はそのまま、公園から出て行ったーーー……



< 198 / 292 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop