え、高嶺の花が僕の彼女⁉︎
今まで裕くんは荻野さんと同じ時間帯に入れていることが多かった。
だから一緒のバイト先でも同じ時間に働いたことはない。
しかも山口さんは確か今日、私と同じ時間帯に交代する筈だったから、事務所で裕くんと鉢合わせる可能性は十分ありえる。
ど、どうしよう。
夏祭りに告白とか考えておきながら、心の準備、まだ出来てない。
ガチャ…キィ……
「……矢野。」
私があたふたしているうちに裕くんが事務所のドアを開けていた。
「こんばんは。」
焦った私の口からついて出たのは他人行儀な挨拶だけ。
「…こんばんは。」