え、高嶺の花が僕の彼女⁉︎
「矢野!」



バイトが終わって、それじゃ、と出て行こうとする春華を呼び止めた。



春華はドアノブに手を掛けたまま、振り返った。



「この後、用事なかったら…」


ああ、僕はズルい。

こう言えば、相手は嫌な場合でも用事があるという名目で断るだろう。


僕は春華から拒絶されるのが怖くて変な前置きをした。


「一緒に夕飯食べ行かない?」





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