え、高嶺の花が僕の彼女⁉︎
うどん屋さんのときも、学校の噂も、本当は……


この人、私の彼氏だよ!

かっこいいんだからっ!

あなたたちの見る目ないだけだよ!

って大声で叫びたかった。




もちろん、今はそんな資格はない。



でも裕くんがこんな風に言われるのは耐えられなかった。



「ーーっ!もう、ほっといてください!」



バッシャッン



裕くんは一瞬、何が起こったかわからない顔をした。



「んっだよ!冷てぇー…」



男が声を上げると同時に私は駆け出した。



屋台が立ち並ぶ方に行き、人混みに紛れこむ。


私たちは息が上がって、走れなくなるまで走って、走って……




境内の裏にあるお地蔵さまのところに行き着いた。


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