え、高嶺の花が僕の彼女⁉︎
ドン……


赤い一際大きな花火が私たちを包んだ。



私はそっと、裕くんの襟を引いて、唇を重ねた。


裕くんがびっくりしたように固まるのがわかる。

裕くんの唇は夏の暑さに反して冷たかった。


ドン


ドン

少しでも、私の熱が伝わるように……



ドン


ドン……


花火はフィナーレに向かっているのか、止め処なく音がする。


私の心臓の速さも加速する。


唇を離すと顔を真っ赤にさせて俯く裕くんがいた。



< 229 / 292 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop