え、高嶺の花が僕の彼女⁉︎
裕くんは、少し躊躇ったあと、私と目を合わせた。


「…春華って呼んでいい?」



ああ。


体育祭でのことを言ってるんだろう。



「さっき散々呼んでたクセに。」


「そうだね。」




どちらともなくお互い笑う。



「春華ーー…」



その声と共に今度は裕くんのほうからぎゅっと抱きしめられた。



裕くんの切ないような、胸の詰まるようなその綺麗な声に私が顔を紅くしたことは多分、裕くんのうでの中に居たから裕くんは気づいていない。






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