え、高嶺の花が僕の彼女⁉︎
僕はなにも見ていなかった。


両親が離婚しなかったのはっ……。


親父が母さんを少しでも愛していたからだ。



「僕が見なかっただけだ。」


花瓶に目をやる。


いつも家に帰らない両親。
花が枯れなかったのは兄貴も水をかえていたから。


「僕は……自分のことばっかりだった。」



母さんや親父とわかり合う努力さえしてこなかった。



兄貴のことも。

「ああ。お前の自分ばっかりの自己中な性格は今に始まったことじゃねーよ。」




兄貴は苦笑した。




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