え、高嶺の花が僕の彼女⁉︎
「わりぃ、嫌な聞き方して。俺も気付いてたよ。春華の…」

俺はベンチから立ち上がり、春華の方に数歩、歩く。



トン、と彼女いわく、ささやかな彼女の胸にこぶしを当てる。


「此処には。他の誰か居るんだろ?」

「…ドサクサに紛れて触らないでよ、エッチ。」


俺らは、ふふっと笑った。

「…ありがとう、今まで。」

彼女は真っ直ぐ、俺を見て言った。
ああ、本当に終わりなんだ。

「俺、楽しかった。春華と居れて。」


家まで送るよ。


そう呟いて彼女の手を引いて、ブランコから立たせて歩き出した。

多分、彼女と手を繋ぐのは今晩が最後。

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