え、高嶺の花が僕の彼女⁉︎
「んー?」

「私が裕のこと…

キーッキッキ

トラックのクラクションの音が響いた。

ギャハハ、マジウケるんですけどー!
隣を歩く女子高生の品のない笑い声。

加えて、信号が変わったことにより、交差点が一瞬、ごった返した。

その音に、荻野の声がかき消された。

「ごめん、もう一回言ってくれない?」

「いい!大した用じゃないし!裕耳悪いねー?」

「はぁ!?今のは仕方ないだろ?だからもう一回言えよ?」

「いいのー!また明日ね!私、CD買ってから帰るから!」

荻野はつかんでいた僕の制服を不意に放して駆け出した。

「お、おい!…気をつけて帰ろよ!」

僕はなんとく、いつもの荻野と態度が違った気がしたが、今更タワレコに入った荻野を追いかけて聞き出すのも変なので、そのまま帰ることにしたーー…

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