え、高嶺の花が僕の彼女⁉︎
綺麗に通った鼻筋や、凛としつつぱっちりした奥二重は男の僕でも少し羨ましいと思ってしまう。

そんな美人がなんで僕の兄貴と付き合っているのか納得いかない。

いや、兄貴は少なくとも僕よりルックスも性格もいい。
…もしかすると結構イケメンの部類かも。


昔から父親似の兄貴はイケメン。母親似の僕はアベレージくらいのそこそこ。

ルックスの違いは僕の密かなコンプレックスだ。

僕の性格…というかキャラ的に、誰も僕がそんな事考えてるなんて思わないだろうけど。

「間も無く二番線に列車が参ります」


階段をホームに向かって駆け上っているとアナウンスが聞こえてきた。


この調子でいけば、なんとか間に合うだろう。

息はゼイゼイと上がっている。

運動不足の証拠だ。


人の波にのって来た急行列車の扉に押し込まれる。


ここからが疲れるんだよ。

おっちゃんに押されるし、女子高生とか近くにいると気遣わなきゃならないし。
朝の電車は嫌いだ。
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