え、高嶺の花が僕の彼女⁉︎
どうせ矢野春華はいつも通り、学校の最寄り駅まで兄貴に車で送ってもらうのだろう。

あんな美人が満員電車乗ったらすぐ痴漢にあいそうだ。

「あっれぇ?裕じゃん!」


その声で思考はぶっちぎられた。

顔を上げ、声のした方を見ると斜め後ろに荻野がいた。

荻野琴子、クラスメイトで幼稚園からの腐れ縁のやつ。

僕がまともに話す数少ない女子だ。


「あ。荻野、いたの?チビ過ぎて見えなかった。」


からかいを込めて呟く。
まぁ、事実も半分入ってるけど。
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