え、高嶺の花が僕の彼女⁉︎
「そんなに怒らないでよー?それより、裕に提案があるんだけ「間も無く新小田ー、新小田ー、お出口は…」



荻野の声はアナウンスによって遮られた。



僕は人ごみに埋れかけてた荻野の手首をぐっと引き、扉から出た。

「いたっ、ちょっとは加減しなさいよ、馬鹿!」


「挟まってるほうが悪いんだろ!」

まったく、せっかくの親切を…

「それより、提案って何?」

僕は話を逸らすために、さっき荻野が言いかけてたことを聞いた。

「ああ…あのね!裕、一緒にバンドやろうよ!」


「はぁ⁉︎」


「私、最近、ギター始めてさー。バンド、やりたくなっちゃったんだよねー。」


なるほど、最近こいつが放課後いそいそ帰ってたのはそういうわけか。


「それでさー、裕はヴォーカル、やってよ!」


「ヴォーカル⁉︎」

冗談もほどほどにして欲しい。

そもそも人前に出るのがあまり好きじゃないない。

ドラムとか、ギターならまだしも歌うなんて…






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