え、高嶺の花が僕の彼女⁉︎
荻野の声はいつも大きい。

でも、多分、今回のはわざとその1.5倍くらいの音量だった。


もちろん、周りの男子たちにもそれは響いたようで一気に廊下がざわめいた。



「えー!?何それ!裕やるじゃん。抜け駆けかよ、このやろぉ。」


「お前…彼女いるだろ?」


「んー、矢野春華はアイドルみたいな?」


「矢代さんにしっかり言っとく。最近、アオは気になる女子がいるって。」


矢代さんとはアオの彼女だ。


「え、それカンベンー。」


あははっと首をすくめるアオ。


よかった。


と少し、思った。


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