え、高嶺の花が僕の彼女⁉︎
呆れる僕をよそに、荻野は軽い足取りで改札を通過する。


僕はあまりに荻野の話にびっくりして、定期を出すのを忘れていたので、ワンテンポ遅れた。


「それでぇー、裕がヴォーカルで、ドラムは宏大でキーボードが歩美!なかなかいいメンツじゃない⁉︎」


改札をでるとら荻野がまた話し出す、ウキウキとした口調で。

だから…


「僕、まだ引き受けるって言ってないんだけど。」


「もう他の皆は引き受けてくれたし?それに裕の声、私いいと思うんだけど。」

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