え、高嶺の花が僕の彼女⁉︎
花に魅せられたモノタチ
“あんまり、荻野さんの話、しないで”
“ちょっと妬いちゃうから”
消えいりそうな声での付け足しは、僕の顔を熱くするには十分すぎた。
春華が照れて下を向いていたのが、言い方はヘンかもしれないけれど、不幸中の幸いだった。
「いらっしゃいっ」
ガラガラ、とうどん屋の引き戸を開けると、女の店員さんの元気のいい声がした。
二人とも、サラダうどんを頼んで、席に着いた。
「春華、大事な話って…」
なんだろう?
「あのね…「あっれー、あそこに座ってんの矢野春華じゃね?」
「まじぃ!?」
「しかもあれ、カレシって噂の永井裕じゃん?」