pureLove 永遠の愛
「告白されてからは
とっても幸せだった。」


梓さんは当時を思い出した
ように微笑む。


「いつも一緒に居てくれて。
凄く大切にしてくれたわ。
でも凌には夢があったの…。
凌のお父様は凌が中学に上がる時
に病気で亡くなったんだけど…。
イタリア料理の有名なシェフで
うちの父とも知り合いだったの。
本当にお互いそんな事ぜんぜん
知らなくて後になって運命だな
って話したんだけど…。
そんな立派なお父様みたいな
料理人になるのが凌の夢だった。
でも私は凌の夢を素直に応援して
あげる事が出来なかったの…。」


梓さんの目から涙が
溢れてる…。


「進学を決めなきゃいけない時に
凌からイタリアに行きたいって…
3年待っててくれないか…って
言われたの…。
でも泣いて嫌だって止めてたの。
行ったら死ぬって…。
私って本当バカだよね…。
でも私はどうしても凌と離れたく
なかった…。
結局…凌は私と同じ高校に進学
したわ。」
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