天使な君は儚すぎる夢を僕にくれた

しえるは、目を閉じて話し続けた。


「本当は最初に言いたかったんだけどね。海君が結婚したら、もう......私の役目は終わって、この世界から消えてしまうの」


「......死ぬって事なのか?」


自嘲気味にしえるは笑った。


「海君の事が大好きだよ、今でも。それを最後に言いたかったんだ。人間界に堕ちた時、私はもう死ぬ運命だったの」


「何で......何でそんな大事な事を今になって話すんだよ」


「だって、海君に最初にそれ話したら、初音さんと結婚なんてしなかったでしょ。わかっているんだ。海君は優しいから私を選んでいた」


「お願いがある」と、僕はしえるに言った。


「お前が助かる方法を教えてくれ............」


どこかで、大きな鐘の音が聞こえる。