矛盾
また泣いた。今度はみんなで泣いた。

ある日。僕は君と下校している。
すると君は急に
「明日から一緒に行けない。学校も休むんだ。」
と。
「なぜ?」
と聞いたら、君は目に涙をいっぱいにためて
「お母さんが倒れたの。もう、死んじゃうかもしれないの。」
と。
僕は君と知り合ったあの日から、
君の家にお世話になっていた。
家が辛くなれば君の家へ。
君の家は愛に溢れていた。
君のお母さんと、お父さんは僕に優しくしてくれた。
なのに。なんで?
涙がでてきた。 すると君は
「私ね、自傷してたんだ。自殺未遂してたんだ。
毎日のように。」
僕はびっくりした。君はいつも笑っていた。
そんな君から“自傷” “自殺未遂”それを“毎日”。
ショックだった。 救ってやれなかった。
君は続ける
「それがある日お母さんとお父さんにバレてね。
お母さんが言ったんだ。
『死んじゃダメ。死ぬのは絶対ダメ。辛いならお母さん達に言いなさい。』
って。なのに。なのにお母さんは死んじゃうかもしれない。」
って。
君のお母さんは死んだら終わりなんだからといつも言っていた。言っていたのに。
なんで? いやだよ。
2人で泣いた。 お母さんが死んじゃわないように神様にお願いしながら。
2人で病院へ行った。
< 4 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop