依頼屋
部屋に帰ると彼はまだ帰っていなかった
私はゆっくり名簿と紹介状に目を通す
ファミリーはざっと50人ぐらいだ
今でも増え続けているので、実際はもっといるだろう
「ガチャン」
…彼が帰ってきた
「…ただいま」
「…おかえり」
「収穫はあったか?」
「…名簿と紹介状を取ってきた」
彼はそれらに目を通す
「大手柄だな、俺の方はあまり聞き出せなかった」
あの彼が聞き出せなかったなんて珍しい
「…とりあえず、早くこの国から出た方がいい
明日になると関所が全部閉められるかもしれない」
「…リゼリア、今度は何をやらかした?」
「別に…何も…」
「寝ずに平気か?」
「大丈夫…慣れてるから…でも、少し寄りたい所があるの…」