依頼屋


少女は窓から差し込む朝日で目を覚ました


「うーん…」


「ローズ、入るぞ


…ってお前まだ寝てたのかよ」


「しょうがないじゃん、眠いんだもん


ジークが早起き過ぎるんだよ!」


「馬鹿か。皆もう起きてる


お前も早く親父様のところへ行くぞ」


「あ!待ってよジークー!!」


少女が急いでベットから出ると


ふわりと風が少女の髪をなびかせる


「あれ?ここの窓閉まってたはずなのに」


少女が窓を閉めようと近寄るとそこには一輪の花が置いてあった


「…お姉ちゃん……」


それは紛れもなく少女が彼女に渡そうとした花だ


少女は青く、高い空を仰ぎ見て呟く


「“また会う日まで”」



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