依頼屋
あれから一年がたった
俺と彼女はいつも一緒にいるようになった
特にどちらも何も話さないがそれが何故か心地よかった
「リュカ…これあげる」
ピアスだった
漆黒の洒落た装飾に金の宝石がはめ込まれている
「綺麗だな。これどこのピアスだ?」
「手作り」
彼女は少し顔を赤らめて目を逸らしながら言った
彼女は器用だった
よく店に行っては何かを自分で作っていた
平軍になれば城下町で金を払わず自由に遊べる
それを利用して俺もよく立ち入り禁止の山に入ったりしている
俺は今つけているピアスを外し、彼女から貰ったピアスをつけた
「…」
「…」
「…変か?」
「ううん…変じゃない」
とにかくどちらもかなりの口下手だった