依頼屋


ある日彼女が歌っていた


彼女の歌は心に染みる歌だった


けれど、歌っている彼女の目は虚ろだった


きっと過去の事を考えているのだろう


…俺は彼女を知らない


…もっと知りたい


…もっと彼女を助けてあげたい


…もっと彼女の笑った顔が見たい


初めての感情ばかりで動揺した


それが恋だと気がつくのにそれほど時間はかからなかった

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