依頼屋
依頼屋と海賊


「大丈夫か?リゼリア?」



「うん…大丈夫」


一日中歩きっぱなしでいよいよ疲れが出てきた


しかも一日の気温差が激しく私の体力は限界に近かった


「危ない、」


私がふらつくと彼はしっかり支えてくれた


ああ…もう背丈も大きな手もあの頃とは全く違う


リュカは大人になった…


「もうすぐで宿があるからそこまで歩けるか?」


「…うん…ごめんねリュカ」


リュカは手を握って優しくリードしてくれた

いつもよりも遅い私のペースに合わせてくれた


泣きそうだった



ねぇ


そんなに優しくしないでよ…


私は貴方にとっての道具でしかないんだから…

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