依頼屋
宿に着くと部屋が一部屋しか空いていなかった
「少し熱があるな」
リュカのひんやりとした手が気持ち良かった
彼が上着を脱がせてくれた
そして、彼は固まった
「…リュカ、どうしたの?」
「お前、これ…いつの間に…」
彼は私の鎖骨辺りを見ている
私ははっとして布団で隠した
そこにはレイランに付けられた跡がまだ残っていたのだった
「嫌っ!見ないで!これは…違うの!…リュカ…私は…」
もう、最悪だ…
リュカだけには見られたく無かったのに…
不純だと思われたらどうしよう…
もう要らないと言われたらどうしよう…
「…リゼリア分かったから大丈夫だ。俺の不注意だった。あまり無理をするな
ほら、今日はもう休め」
彼は私をベッドに寝かせた
「…私、ソファーで寝るからいい
リュカがこっちを使ってお願い」
「病人にそんなこと出来ない
お前が使え」
退こうとすると彼に止められた
「…リュカ…ごめんなさい…」
彼は何も言わずにソファーに横になった
彼は優しかったけどちょっと不機嫌だった