依頼屋


「この辺りから海を渡る方法はありませんか?」


朝食を食べながら彼は若い女の従業員に聞いた


「そうですね…最近盗賊が多くて、海へ出るのは国で禁止されているんですよ
ですから、この辺りからは難しいかもしれません…」


「そうですか…」


私はもぐもぐとパンケーキを頬張る


林檎のシロップがかかったパンケーキはとても美味しい






「あー、腹減った腹減った!!
おい、酒とつまみを持ってこい!」


静かだったレストランに荒々しい男が何人も入ってきた


腰には銃と剣がある


盗賊だ


「キャーッ!!!」


客達は我先にと店から出て行く


「…あの…お客様…この前の代金は…」


さっきの若い女の従業員が尋ねた


「あ゙?聞こえ無かったのか?酒とつまみだっつってんだよ!このメス豚!!」


男が手を挙げた


しかし、いつまでたってもそれが振り落とされる事は無かった


「なんだてめぇ…?」


「…」


私が振り上げた男の手を掴んだからだ


「てめぇ…殺されてーみたいだなぁ!!」


男は銃を構え、私に焦点を合わせた


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