依頼屋
そんな経緯で私達は船着き場に来ていた
船着き場に見上げるほど大きな船が一隻だけとまっている
「言い忘れていたがカルロは海賊だ」
彼が私に言った
「駄目だよ。それじゃあ下品な奴だと思われるじゃん。俺達は海賊は海賊でも人助けする海賊!そして、俺はその船長だよ」
「海賊…」
正直びっくりだった
人助けをする海賊なんて聞いたことなかったし、
海賊は野蛮で宝に貪欲で下品なイメージだったのだが
カルロはどちらかといえば上品で紳士だ
「で、今回の依頼ってのは…まぁ一言で言えば護衛だな
ちょーっと変わった娘がいるんだよ
ほんのちょっとだけね」
「嫌な予感だ」
「だからちょっとだけだって。あ、大丈夫?」
船に乗る時にあった段差に気を使ってカルロが手を差し出してくれた
…やっぱり紳士だ
「ありがとうございます」
手を取ろうとして掴んだがそれはカルロでは無く彼の手だった
「え…」
「あはは!!そういうことか!なる程な!
おかしーと思った!」
「…黙れカルロ」
私は彼の考えている事も
カルロが笑っている理由も分からないけれど
何だか少し恥ずかしかった