依頼屋
私はただ無心で広くて大きい海を見ていた
「どーやら、お前さんも海の虜になっちまったみてーだな」
上から声がして見上げるとがたいのいい男がいた
「今船に乗ってる奴らは皆こいつの虜さ
勿論俺も含めてな
大きな海を見れば自分なんてちっぽけなもんさ
でもな、そのちっぽけなもんの生や死は海より大きい感動があると俺は思うんだ
お前さんはどうだい?」
男はいつの間にか私の隣に来ていた
「私は…ただ…無力さを感じる
何をやっても結局小さな事でしかない
それが虚しく感じる
自分が生きている意味がよく分からなくなる」