依頼屋
依頼屋と誘惑




「おい!ジェイドの船だ!」


「全員戦闘用意!!」



しばらくゆっくり海を眺めていると

船が急に慌ただしくなった


「ジェイドは今最も強く、権力があると言われる海賊よ

麻薬を売ったり、人攫いの手伝いをしたりるする悪い海賊…

この前も、私達と同盟を結んでいた船を沈めたの。許せないわ…」


クレアは怒りで顔を真っ赤にして言う




「リゼリア、交代だ。リナルを頼む」


リュカはそう言うとカルロの所へ行ってしまった


リナルはおどおどしている


「…とりあえず、外は危険だから中へ」


「は…はい…」


一番奥のリナルの部屋に入り、窓から様子をうかがう


「あの…これから、皆さん戦うんでしょうか…?」


「…勘だけど睨み合うだけだと思います。カルロの海賊団は結構強くて有名みたいですから、戦ったら勝っても負けても大きな痛手を負う…

だからって今日戦わない保証はありませんけど…」


「…リゼリアさんは、戦えるんですよね

女の子なのに…

リュカさんにあんなに信頼されてるんだから、きっと凄くお強いんですね」


「…」


リナルの口からリュカの話が出てきて戸惑った



「リュカさん、素敵な人です…

とっても…お優しいし…

そんなリュカさんと一緒にいれるリゼリアさんが羨ましい…

信頼されるぐらい強いリゼリアさんが羨ましいです…」



少し頬を赤く染めるそれは紛れもなく恋心…


私よりずっと純粋で汚れのない…



人を傷つける強さが何になるのだ



私に誇れるような物は何もない



私は空っぽだ
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