依頼屋


「へぇー…覚悟を決めたんだ?」


「…」


「その覚悟、いつまで続くかなー?」


「…」




「人はね、皆心の中に獣を飼ってるのさ

普段は鎖で繋がれてるけどね

でも、それって凄く可哀想じゃない?

獣だって自分の一部なのに

ずーっと鎖に繋がれて、誰にも知って貰えないまま死ぬんだよ?

そんなの可哀想だよ

魅力的な獣を飼ってる君みたいな子は特に…ね」



「…何が言いたいの」



「簡単な事さ

獣を解き放てばいい

少なくとも君はあの男と再会する前まではそうだったじゃないか

自分の思うがままに、快楽のままに行動して…

何故再び封じ込めてしまったんだい?


俺はあんなに美しい獣を見たことがない」
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