依頼屋


それからジェイドはずっと寝ていた


本当にこの船で何かしようという気はないらしい


彼の狙いはきっと私だ


何故そこまで私に執着しているのだろうか





私はリュカに再会するまでずっと人を殺してきた


人を殺す事でしか自分の存在を感じることができなかった


ただがむしゃらに殺して


そこでついたあだ名は“紅い蝶”


血を吸って生きる蝶…


何故ジェイドはそれが私だと分かったのだろうか…


仕事の時はいつもフードを被っていたし、


後をつけられていると感じれば皆殺してきた


だから、名前は聞いたことがあっても


それが私だとは誰も知らない筈だ


それが何故私の知らないこの男にバレているのだろうか…

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