依頼屋
「リゼリア、交代しよう」
「あ、うん」
太陽が半分沈み海を赤く染める頃に彼は来た
「…リゼリア、後で話がある」
「分かった…」
私はリナルの元へと歩いた
「あ、リゼリアさん!」
リナルは私に駆け寄るなり、抱きついた
「…さっきは…ごめんなさい
リゼリアさんの気持ちを考えずにデリカシーのない言葉を…
本当にごめんなさい…」
ああ…
そういえば私、強くしてと言われてこの子から逃げたんだった
「そんな…こちらこそ…ごめんなさい…」
「いいえ、リゼリアさんは悪くないわ!
言葉には気を付けなさいとお母様に言われているのに…」
…この子はきっと良い王女になる
平民である私に此処まで頭を下げられる王族は少ない
もしも、あの時の王女がこの子だったら…
あんな悲劇は起こらなかったのに…