依頼屋
「…ここにはね、家族の居ない奴らが殆どなんだ
俺も勿論そう
俺は愛に飢えてできた傷を癒やす為にこの海賊団を作った
皆で旅をして、皆で食事をして、皆で寝る
家族みたいだろ?
俺達にとって家族ってのは特別で憧れなんだよ
誰かが誰かに必要とされている瞬間ってのは宝石よりも夜空の星よりも輝いていて、美しい…俺の永遠の憧れ」
「いい…ですね…そういうの…」
私もあの日カルロに見つけて貰っていれば、こんなに自分を嫌いにならないで済んだかもしれない…
リュカにも会わず、恋に悩まずに済んだかもしれない…
「でしょ?楽しみだなあ…」
「私も…楽しみです」
親子…か…
「…私そろそろ戻りますね」
「あぁ、おやすみ」
「おやすみなさい」
私は彼の元へと足を速めた