依頼屋
しばらくすると規則正しい寝息が聞こえてきた
整った顔に紳士的な態度…
そりゃ誰だって恋をしてしまうだろう
私は我が儘だ
リュカのことが好きなのに、リナルのように自分の気持ちを伝えることはできなくて…
でも、他の誰かのものになってしまうのは嫌で…
「リゼリア…?」
「ーっ!!!」
彼はいつの間にか起きていて私の目の前に端正な顔があった
「また、思いつめてる…」
「別に…」
「…へぇ」
…あ、怒ってる
「あ、あのね…」
「やっぱりリゼリアは俺が嫌い?」
「え…?なんで…?」
「別に…」
「…嫌いじゃ…ないよ…」
「…ふーん…だったらさ、さっき一人で考えてた事話せる?」
「それは…」
「…やっぱりな、いいよ別に。どうせ俺には関係ないし」
「リュカ…ごめんなさい…」
「…ごめん…俺、疲れてるかもな…」
彼は私と少し距離をとり、座った
その近すぎず、遠すぎない距離が今の私達ような気がした
そして、それが今後縮まらないと思うと寂しかった