依頼屋


その頃船ではカルロと船員が揉めていた



「あいつ…!!!」


「ははっ!かっこいいねーリゼリアは

さて、本当に気が変わらないうちに出航しようか」


「何を言ってるんです!
あいつはジェイドの仲間に違いない!!

…カルロさんも見たでしょう!?あいつを捕まえるべきです!!」


「見たよ

でも、あのお香はただの栄養剤からできてる

新種の麻薬でもなんでもないよ

俺は鼻が効く方でね

さっき、あの子から微かに漢方薬の匂いがしたんだ



やっぱりいい子だなーリゼリアは

ほんと、このまま手放すのが惜しいよ」


「カルロさん…もしかして…」


「あはは、残念ながら今回は諦めるしかないよ

なんせ、彼女には完璧なナイトついているからね

あれから奪うのはきっと死んでも無理だ




さあ、行こうか」


船長の合図に船はまた大海原へと帆を広げた


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